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小6までに英検準2級!~「子どもの英語『超効率』勉強法」より

語学

 

こんにちは。7歳、5歳、3歳の娘たちに、日中英トライリンガル子育てをゆるく実践中のelly (@ellyeblog) です。

大学で言語学を専攻し、英日・中日翻訳の仕事をしています。自分が語学で苦労した分、「子どもの言語習得」にとても興味があります。

 

英語のCDやDVDのかけ流し、絵本の読み聞かせ、アプリの活用などで、娘たちに英語のインプットを進めてきた我が家

最近、おうち英語がややマンネリ気味だったので、私自身のモチベーションアップのために船津洋さんのこちらの著書を読んでみました。

 

著者は、英語教材「パルキッズ」の開発者ですが、本の内容は直接「パルキッズ」を宣伝するようなものではなく、言語学的に見た子どもの言語獲得能力、臨界期、早期教育のメリットなどがまとめられており、とても合理的で参考になる箇所が多かったので、備忘録として記事にしました。

 

この本を読んで、

幼少期(黄金期)の良質なインプットがとにかく大事!

小学生で英検準2級を取得しておくと、いいこと尽くめ!

ということが分かり、おうち英語の取り組みの方向性がとても明確になりました。

 

一番重要なのは大量で良質のインプット

語学の習得に、まずは「大量のインプット」が必要だということは知られています。

本書でも「入力から理解、そして出力」ということが繰り返し述べられています。

日本語を身につける幼児の場合、親の語りかけや家族の会話を通して、大量に耳から日本語が「インプット」され、あっという間に日本語を身につけてしまいますよね。

  1. 2歳くらいまでに、日本語の語の並び方のシンタクス(無意識の文法)や、レキシコン(活用などを含む語彙)を身につけ、リスニングの回路(聞き取って理解する)が完成。
  2. 3~4歳で、リーディングの回路(読んで理解する)を身につけて、2つの入力の回路が完成。

 

このように正しく受信できる英語が増えれば、自然と正しく発信できる幅も広がるので、入力→出力という順番になるわけです。

そして日本語の場合、2歳児の語彙は200~300語ほどで、それだけで大体の日本語は理解できるとのこと。

英語の場合は、日常会話で使用される単語は1000語と言われていますが、それ以上の英単語を知っている大人でも「英語が使える!」とは決して言えない人もいるのではないでしょうか(私がそう)。

その理由が、「入力の質の問題」であることが、本書を読むと分かります。

インプットのポイント!

英語を勉強するのではなく、自分がわかるより少しだけ新しい情報を含む入力をストレスなく続けること。

 

黄金期は幼児期。このタイミングを逃さないで!

私が娘たちに0歳から英語のインプットを始めた理由は、幼児期の「言語獲得の黄金期」を信じているから。

この幼児の言語獲得能力については、私も大学時代に言語学の授業で習ったことがありますが、本書にも、「プラトンの問題」として紹介されていました。

以下に引用します。

①幼児は親から与えられる乏しい言語環境下(普通の家庭内の会話)で

②文法的な指摘や指導を受けることなく

③わずか2年ほどで母語を身につけてしまう。

④しかも個人の能力には関係なく、ほぼ100%の確率で誰でも身につける。

⑤さらに不思議なのは、家庭環境が異なるのに、身につける母語はみな基本的に同じレベル。

 

これは本当にそのとおりだなと思います。

幼児は簡単に言葉を身につける高い能力を持っているので、母語と同じように直接法で外国語を身につけることができる「黄金期」に外国語のインプットを積極的にしないのは、本当にもったいのないことだと私も思います。

 

早期英語教育は効率のいい投資

「英語ができたら将来役に立つ」とは私も漠然と思っていましたが、本書にはかなり具体的に、早期英語教育の金銭的なメリットが書かれていました。

幼児教育にはそれなりにお金が掛かりますが、長い目で見たら、幼少期に英語教育にお金を掛けておけば、将来的な「教育全般のコスト」をカットすることができるというのです。

確かに、私自身は中学校で英語を習い始め、大学時代の留学、学生~社会人時代の各種講座の受講費や教材の購入費を考えると、相当お金を費やしています。

そしてその結果、「翻訳の仕事」ができるまでにはなりましたが、リスニングやスピーキングはまるでダメ。「英語がペラペラ」とか「英語でのコミュニケーションに自信がある」とはとても言えないのが現状です。

でも幼少期に英語教育にお金を掛け、小学生で英検準2級を取得することで(※詳しくは後述)、中学入試、高校入試、大学入試、就活、昇格昇進のすべてにおいて圧倒的に有利になり、将来の可能性が大きく広がることを思えば、英語の早期教育は費用対効果の高い投資だと言えます。

早期投資のメリット

早期の投資をケチって英語に苦労する子に育ってしまえば、中高で他教科に手が回らず、進学の選択肢が狭まる。特に国公立大学への道を開くのは英語力。

 

我が家も、経済的にできれば娘たちには国公立大学に行って欲しいと思っているので、とても説得力のある内容でした。

 

小学生で英検準2級を目標とする理由

本書では、「小学生で英検準2級を当面のゴールに」ということが推奨されています。

なぜ「準2級なのか」という理由もきちんと説明されていて、まず3級までは「ラッキー」でも合格できるけれど、準2級は実力勝負のレベルだから。

そして音声だけでなく文字で理解する「読解力」をつけることで、脳に英語が定着し、一生消えない英語力になるからです。

さらに以下のように、子どもの未来のゴールから逆算してみると、非常に分かりやすいです。

【ゴール】大学入試で優遇される英語力の獲得。

高3の受験(国公立や理系)に向けて、早めに選択科目に集中できるよう、高1までに準1級を取得。

中学から英語スタートでは、高1で準1級は厳しい。小学校で準2級を取れば、中学で2級や準1級を狙える。

小学生の早い段階で英検準2級を取れば、中学受験(国算社理の勉強)に支障なし。受験しないなら、小6までに準2級

幼児期の2~4年で、英語を聞いてわかる、読んで分かるレベルに。

 

大学受験の勉強で、英語以外の科目に専念できればかなり有利なことは想像がつきます。この逆算にもとづく英検の目標設定は、とても参考になりました。

 

目からウロコ!英語が「楽しい」かどうかは関係ない

今までずっと娘たちには、「楽しく英語に触れて欲しい」「楽しくないと意味がない」と思っていましたが、この本を読んで、楽しくなくても、好きでなくても、入力されることを知りました。

著者の言うとおり、確かに私たちは、母語である日本語を身につけるときに、特に「楽しんだ」という記憶もないし、日本語を使っていて「楽しい」と思うこともありません。

子どもに「英語好き?」と聞いて「好き(嫌い)」と答えるのは、英語を「自分の外にあるもの」と捉えているからであって、我が子に「日本語好き?」と聞いても「大好き」と答えないのと同じように、英語も「好き」と思う必要はないという考えはとても新鮮でした。

今までは、英語を掛け流しても子どもがほとんど聞いていないことにストレスを感じていましたが、本書を読んでからは、家で子どもたちが他のこと(ゲームなど)に夢中になっていても、とにかく英語を掛け流すことに決めました。

 

具体的な「超効率」勉強法

本書で推奨されているとおり、我が家の娘たちには0歳のときから英語のかけ流しをしてきました。長女に至っては、2022年の現時点で7年間、毎日ではありませんがかなりの時間、英語を聞いてきているはずです。

それなのに、恥ずかしながら今の長女の英語レベルは英検5級にも程遠いレベル。

その原因として、我が家の取り組みには以下の問題点があったことが、本書を読んで分かりました。

  • CDではなくDVDが中心だった。
  • 日常会話ではなく歌が中心だった。
  • 絵本の暗唱が足りていなかった。
  • フラッシュカードなどで単語と意味の連動ができていなかった。
  • 日本語訳を介してしまっていた。

 

一方で、本書が推奨している勉強法は以下のとおりです。

  • CD音声をBGMのように控えめのボリュームで毎日90分掛け流す。
  • かけ流す内容は、家庭内英会話を中心に。
  • 幼児が好む「繰り返し」と「新しいもの」の両方をバランス良く。
  • 歌で押韻、絵本で基礎概念を入力。
  • フラッシュカードで語彙をダイレクトに入力。
  • 「家庭内英会話」「押韻」「基礎概念」「語彙」の4つの要点をまんべんなく入力。
  • 日本語を入れず、間接法にしない。

要するに、赤ちゃんが母語を身につけるときと同じ環境を人工的に作り出すということで、本当に理にかなっていると思います。

この90分という時間は、母語獲得の環境を参考に決めた入力量だそうで、核家族に生まれた第1子が耳にする1日の母語の音声量に相当します。そして幼児が最も多く耳にする言葉と言えば、やはり母親や父親の語りかけを含む家庭内英会話です。
家庭内英会話を中心に、一定期間、繰り返しの入力をして、子どもの興味が薄れた1か月程度を目安に、新しい教材に入れ変えればOKとのこと。
それと並行して、「歌」で押韻を、「絵本」で生活に必要な基本概念を、「フラッシュカード」などで音声と意味をつなげて語彙を入力(語彙化)していくのですが、その時に決して日本語を介入させないことがポイント。

「strawberry は いちごよ」と日本語を添えるのではなく、「strawberry」の音声とイラストを見せれば、もうこれで語彙化は完了ということです。

 

小学校低学年にオススメの「超効率」勉強法

今回この本を読んで、「もっと早く読んでおけばよかった~!」というのが私の正直な感想。長女が0歳のときから船津さんの方式を取り入れていたら、今頃もっと成果が表れていたのかもしれません。

でも小学生からでも決して遅くない、直接法のやり方が本書では紹介されていました。

その1つが倍速学習

本書でも繰り返し紹介されている「既知情報+1」くらいのレベルの内容の英文を、まずは文字を目で追いながら標準スピードで聞いて(口にしてもOK)、次はテキストを見ずに2倍速4倍速と集中して聞き、再び文字を見ながら標準スピードで聞くというもの。

これで英語が聞き取れるという成功体験の積み重ねと、聞き取り力の向上を図ることができます。

 

小学校中学年以降にオススメの「超効率」勉強法

さらに年齢が上がったときにオススメなのが素読

日本語に訳さなくても理解できるような、やはり「既知情報+1」のレベルの本を、ひたすら暗唱するように声に出して読み続けるというもの。

素読のポイント

①正しい発音で声に出して読む。
②日本語に訳さない。
③辞書を引かない(休憩以外は中断しない)。
④(音源がない場合は)できる限りの速さで読む。
⑤10万語のテキストを4~5回繰り返して読む。

これを続けることでいつの間にか、英語を日本語に訳すことなく、英語のまま理解する読解力が身につくとのことです。

難しい本を辞書を引きながら読んで、数ページで嫌になった経験は多くの人にあると思いますが、この素読なら、そんな多読の困難さを解決してくれますし、実は意味を無視して読むことが英語上達に大きくつながるなんて、こんなうれしいことはないですね。

これは私もぜひ実践していこうと思います。

おわりに

いかがでしたか。

「10万組の親子が学んだ子どもの英語『超効率』勉強法」を読んだ感想や、気づきを私なりにまとめてみました。

我が家の取り組みの改善点が明確になり、とても参考になると共に希望が湧いてきました。

本書の狙いは子どもの勉強法ではありますが、英語を学習中の大人にとっても参考になることが多く、私自身も改めて、直接法による英語の入力を続けて、ネイティブに近い英語力を目指したいものです。

そう、人間の脳の可能性を信じて!

 

本書を読んでさっそくこの勉強法を取り入れ、小2の長女にも低学年のうちに英検を受けさせようという目標ができたので、そちらの成果もまた報告する予定です。

そしてぜひ同じ方法を中国語でも試していきたいものです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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