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中国語で読めるヨシタケシンスケさんの絵本20選

語学

 

こんにちは。フリーランス翻訳者のelly (@ellyeblog) です。

大学で言語学を専攻し、英日・中日翻訳の仕事をしています。自分が語学で苦労した分、「子どもの言語習得」にとても興味があります。

 

私が好きな絵本作家の一人、ヨシタケシンスケさん。

以前仕事で、日本の絵本の英語版・中国語版を扱う機会があったのですが、ヨシタケシンスケさんの作品も、英語や中国語(簡体字・繁体字)にたくさん翻訳されていることを知りました。

あの独特の発想、味のあるイラスト(人の表情)、手書きの文章などが放つヨシタケワールドは、世界にも通じるものがあるのですね(ちなみに中国語版でも同じく文は手書き風です)。

 

先日このブログで、五味太郎さんの絵本の中国語版を紹介する記事を書きましたが、五味さんの作品に比べ、ヨシタケシンスケさんの作品は文字数が多いので、おうち中国語の読み聞かせとして取り入れるにはもう少し上級者向け。

 

中国語を学習中の大人が読むにもちょうどよく、私もぜひチャレンジして読んでいきたい、そんなヨシタケシンスケさんの作品ですが、「日本語と中国語のタイトルの対訳リスト」のようなものがネットではなかなか見つけられなかったので、今回記事としてまとめてみました。

  • 中国語学習に日本の絵本を活用したい!
  • 中国語の読み聞かせを少しずつレベルアップさせたい!

そんな方におすすめの20冊です。

※(2022年6月時点で)中国語版がネット購入可能なものはリンクを貼っています。購入できないものは、表紙イメージの参考として日本語版のリンクを貼っています。

 

▼中国語で読める日本の名作絵本(初級レベル)▼

▼中国語で読めるノンタンシリーズ(初級レベル)▼

 

 

ヨシタケシンスケさんの絵本の魅力

ヨシタケシンスケさん(中国語では本名の吉竹伸介さん)は1973年(偶然にも五味太郎さんのデビューの年!)に神奈川県で生まれた、イラストレーター、絵本作家。

長くクリエイターとして活躍し、2013年に出した『リンゴかもしれない』が初のオリジナル作品とのこと。絵本作家デビューは40歳と遅めだったのですね。

「発想絵本」とも呼ばれるヨシタケシンスケさんの絵本ですが、クスっと笑ってしまうユーモアと、無限に広がる発想、そしてあのほのぼのとしたイラストが、やはり最大の魅力ではないでしょうか。

 

まずはやさしめ。子どもにおすすめの7冊

『もうぬげない』/ 脱不下来啦

繁体字:脫不下來啊!
英語:Still Stuck
ブロンズ新社(2015年)32ページ

一人で服を脱ごうとしたら、頭と手が引っかかってしまい、お腹丸出し状態のままどうすることもできない男の子が、脱げないなら脱げないで仕方ないと前向きな妄想を始めるお話。長い長い妄想の末の2段オチが痛快です。

 

『なつみはなんにでもなれる』/ 夏美变变变

繁体字:猜猜我在比什麼?
英語:I Can Be Anything
PHP研究所(2016年)48ページ

家事をしているお母さんに、「何のマネをしてるか、当ててね!」と、突然ゲームを始めたなつみちゃん。次々といろんなポーズをとるのですが、お母さんは全然当てられない。なつみちゃんの独特な発想と、終始面倒くさそうなお母さんとのやりとりが面白く、最後のオチも含め、子育て中の親にとっては親近感がわく作品でもあります。

 

『こねてのばして』/ 揉一揉啊 捏一捏

繁体字:揉一揉啊 捏一捏
ブロンズ新社(2017年)28ページ

男の子が、何だか分からない大きな生地を、ひたすらこねてのばして、遊んでいる絵本。最初はパンでも作ってるのかと思わせておいて、布団のようになったり、最後は人のようになったり…。あれが一体何だったのかは深く考えず、生地のもちもちした感じと、それとたわむれる男の子の可愛さに癒される本です。

 

『おしっこちょっぴりもれたろう』/ 尿裤子男孩

繁体字:尿尿太郎
英語:Is it Just Me?
PHP研究所(2018年)48ページ

おしっこの前後に、いつもちょっぴりおしっこがパンツにもれてしまって、お母さんに怒られる男の子。おしっこが乾くまで散歩に出かけた先で、いろいろなことを考え、いろいろな人に出会います。そして気付いたことは、「みんなそれぞれ、その人にしか分からない、困ったことがあるんだな」ということ。困り事のチョイスがまた絶妙で、「分かる分かる!」と楽しく読める本です。

▶公式【絵本アニメ】PHP研究所

 

『わたしのわごむはわたさない』/ 我的橡皮筋, 不给你

繁体字:這條橡皮筋是我的
英語:I Won’t Give Up My Rubber Band / It’s My Rubber Band!
PHP研究所(2019年)52ページ

家のゴミ箱の横に、輪ゴムが落ちているのを見つけた女の子。お母さんに「ちょーだい」と言ったら「どーぞ」と言われ、大喜びでその「宝物」でいろいろと空想を繰り広げます。子どもの「自分だけのもの」「好きに使っていいもの」への憧れが伝わってきて、それが「輪ゴムでもOK」というところが愛らしいです。でもその輪ゴムが切れてしまったら…?

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『ねぐせのしくみ』/ 哈哈哈 早上好

繁体字:怎麼睡成這樣子
ブロンズ新社(2020年)28ページ

髪の寝ぐせがどうしてできるのか、寝ている間に一体何が起きているのかを、ものすごい空想の世界で描いている面白い作品。子どもが信じたらビックリしてしまうほどの「工程」ですが、我が家の娘たちも大好きな1冊です。

 

『あきらがあけてあげるから』/ 我来帮你打开吧

PHP研究所(2021年)48ページ

お菓子の袋が自分で開けられなくて悔しがるあきらくん。大きくなったら、みんなのものも全部開けてあげる「何でも開ける屋さん」になることを夢見ます。いろんなモノを開ける空想が広がり、いろんな音(オノマトペ)と一緒に子どもの感性を刺激してくれる作品です。

▶公式【絵本アニメ】PHP研究所

 

言葉も内容も少しレベルアップした10冊

『りんごかもしれない』/ 这是苹果吗 也许是吧

繁体字:這是蘋果嗎? 也許是喔
英語:It Might Be An Apple
ブロンズ新社(2013年)32ページ

言わずと知れた、ヨシタケシンスケさんの大ヒットデビュー作であり、様々な賞を受賞した作品。家のテーブルの上に置いてある1個のりんごを見て、「もしかしたら、これはりんごじゃないのかもしれない」と思い始めた男の子の、想像力が無限に膨らんでいくお話。1つのモノに対して、こんなにいろんな見方ができるのかと、大人の凝り固まった頭を柔らかくしてくれるような作品です。

 

『ぼくのニセモノをつくるには』/ 做个机器人 假装是我

繁体字:做一個機器人 假裝是我
英語:Can I Build Another Me?
ブロンズ新社(2014年)32ページ

「僕のニセモノ(ロボ)を作って、やりたくないことを全部そいつにやってもらおう!」と考えたけんた君。ニセモノだとバレないように、自分のことをいろいろロボに教えようと自己分析をすると、いろんな発見があって…というお話。子どもが「自分という存在」について考えるきっかけになる一冊です。

 

『りゆうがあります』/ 我真的有理由

繁体字:我有理由
英語:I Can Explain
PHP研究所(2015年)32ページ

鼻をほじるクセがあって、お母さんに怒られる男の子。でもちゃんとした理由があればいいんじゃないかと、自分なりに考えた(ふざけた)理由を説明します。これに味を占めて、他のことでも注意されるたびに、いろんな理由をつけてお母さんを言いくるめます(もちろんお母さんは呆れ顔)。そして最後は逆にお母さんに、その髪の毛をいじるクセにはどんな理由があるのか尋ねたところ…。嘘の言い訳はダメなのだけど、男の子のあまりにも変な発想に、怒る気が失せてしまうのが面白いところ。本の表紙、裏表紙の裏のイラストも遊び心があふれています。

 

『ふまんがあります』/ 我真的有意见

PHP研究所(2015年)32ページ

大人のいろんなズルいところに不満がある女の子。意を決してパパに不満をぶちまけます。その内容は、「どうして子どもだけ早く寝なくちゃいけないの?」「どうして大人はすぐに、今忙しい、とか、またあとで!とか言うの?」という、大人が納得するものばかり。そしてそれに対するパパの返答は…。参考にはならないけれど笑ってしまう。そして「子どもだってズルいことあるよね?」と反撃に出ますが、女の子の答えもなかなかです。屁理屈はよくありませんが、大人と子どものお互いの不満を理解し、考えさせられる1冊です。

 

『このあとどうしちゃおう』/ 后来呢 后来怎么了

繁体字:爺爺的天堂筆記本
英語:What Happens Next?
ブロンズ新社(2016年)32ページ

死んだおじいちゃんの部屋から見つかった1冊のノート。そこには「自分が死んだらどうしたいか」というおじいちゃんの思いが文字と絵でいっぱい書いてありました。死んだあとの予定、思い描く天国、みんなを見守る方法などなど、男の子はそのノートを読みながらおじいちゃんの気持ちに思いを巡らせます。そして自分も「このあと どうしちゃおう」ノートを作ることにするのですが…。「死」と「生」について考えさせてくれるちょっと深い絵本です。

 

『つまんない つまんない』/ 好无聊啊 好无聊

繁体字:好無聊啊 好無聊
英語:The Boring Book
白泉社(2017年)40ページ

家で「なんかつまんないな~」と退屈している男の子が、「つまんない」についていろいろ考え始めたら、ちょっと楽しくなってきて…というお話。その想像力には思わず笑ってしまいますが、確かに「つまんないって何?」と、つまんないの意味を考えさせてくれます。つまらないことも自分次第で面白くできる、つまらないことがあるから面白いことが楽しくなる。これは子どもにも伝えたいメッセージです。

 

『それしか ないわけ ないでしょう』/ 只能这样吗 不一定吧

繁体字:未來是這樣嗎?不一定喔!
英語:There Must Be More Than That!
白泉社(2018年)32ページ

「未来は大変なことばかりなんだってさ」とお兄ちゃんに聞かされた妹。食べ物がなくなったり、病気が流行ったり、地球が壊れたり…。でもおばあちゃんに相談すると、未来は楽しいこともたくさんあるかもしれないと教えてもらいます。大人は未来を決めつけがちだし、AかBかで分けたがるけれど、子どもには「それしかないわけないでしょう」という広い視野を持って、明るい未来を描いていってもらいたいものです。個人的に1番お気に入りのヨシタケ作品で、カバーのイラストにもメッセージを感じます。

 

『みえるとかみえないとか』/ 看得见 看不见

繁体字:看得到?還是看不到?
アリス館(2018年)32ページ

眼科の待合室に置いてあった本。読んでみたら、目が見える・見えないの違いにとどまらない、とても深い本でした。目が見えないとできないことはたくさんあるけど、目が見えないからできること(感じられること)もたくさんある。それと同様に、人は(この本では宇宙人の視点もあるから面白い)、みんな少しずつ違っているし、その人だけの感じ方があるけれど、違っていても必ず自分と同じところもあるという、多様性のテーマをユーモアたっぷりに描いています。

 

『ころべばいいのに』

繁体字:討厭的人都跌倒吧
英語:Why Do I Feel Like This?
ブロンズ新社(2019年)32ページ

嫌いな人がいて楽しくなさそうにしている女の子が、イヤな気分をどうやって解決させようかあれこれ考えるのですが、その思考はヨシタケワールド全開。嫌いな人、合わない人って誰にでもいるけれど、嫌いな人がいたっていいし、ちゃんと考えたり、逃げたり、自分でどうするか決めればいいんだというメッセージには共感を覚えます。

 

『あんなに あんなに』/ 那么, 那么

繁体字:明明啊 明明
ポプラ社(2021年)48ページ

 

大人向けの内容の3冊

『あるかしら書店』 / 有呀有呀书店

繁体字:什麼都有書店
英語:The I Wonder Bookstore
ポプラ社(2017年)104ページ

これは絵本というよりは、文字数も多く大人向きの内容。漢字にフリガナがないので、小学校高学年くらいからがおすすめです。昔懐かしい町の本屋さんに次々とお客さんがやって来て、店のおじさんに「〇〇な本、あるかしら?」と尋ねます。するとおじさんは、「ありますよ!」とどんな本でも出してくれる。その内容はちょっと行きすぎだったりもするのですが、個人的には『お墓の中の本棚』『本が好きな人々』『本屋さんってどういうところ?』なんかは、とても素敵な発想だと思いました。作者の本に対する愛が伝わってくる作品です。

 

『ヨチヨチ父 とまどう日々』/ 跌跌撞撞的爸爸

赤ちゃんとママ社(2017年)128ページ

2児の父親になったヨシタケさんが雑誌に連載していたイラストエッセイをまとめたもの。新米パパとしての視線で、育児の大変さ、楽しさを面白く、そして読者に寄り添うように描いています。特にパパならではの「虚しさ」「寂しさ」が、他の子育て漫画とは違ってとても新鮮。ヨシタケさんの描く赤ちゃんのイラストにも癒されます。

 

『もしものせかい』/ 如果的世界

赤ちゃんとママ社(2020年)

文字数は少ないけれど、若者や大人にもお勧めの内容です。「もしも、あれがうまくいっていたら」とか「もしも、あれをえらんでいたら」って、自分の人生を振り返って思うことありますよね。特に今、悩みを抱えている人ならなおさら。そんなときに、「もしものせかい」もちゃんとエネルギーの塊として心の中に存在していて、大事にしていけばいいんだという考え方には、救われる人も多いのではないでしょうか。

 

まとめ

いかがでしたか。みなさんのお気に入りの作品はどれでしたでしょうか?

こうして改めて作品をまとめてみると、どれもまさに「ザ・ヨシタケシンスケワールド」なのですが、それぞれに個々の面白さや魅力があり、ヨシタケさんの発想のすごさを感じます。

今回本文では紹介しませんでしたが、ヨシタケシンスケさんのエッセイ本『思わず考えちゃう』(想呀想呀 想不停 / 胡思亂想很有用)と、『欲が出ました』(我超想要那個)も、大人が読むのにオススメで、どちらも中国語に翻訳されています。

ヨシタケさんが普段どんなことを考えているのかや、そのお人柄が分かると、彼の作品にも一層愛着がわきます。

今後もヨシタケシンスケさんの作品が楽しみです!

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