こんにちは、中華圏の映画が好きなelly (@ellyeblog) です。今回は「香港映画編」です。
香港映画と言えば、ブルース・リー、ジャッキー・チェンなどのアクション映画が有名で、80年代に日本でもブームになりました。私はこの2人の作品は数えるほどしか観ていないのですが、ジェット・リーのカンフー映画や、いわゆる「香港ノワール」系の代表作でアンディ・ラウとトニー・レオンが共演した「インファナル・アフェア」、「少林サッカー」で有名なチャウ・シンチーのバカ面白い作品に一時期ハマりました。
中国映画、台湾映画とはまた違った魅力がある、そんな香港映画をご紹介します。
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インファナル・アフェア
香港 / 2002年(日本公開2003年)/ 102分
監督:劉偉強(アンドリュー・ラウ)
出演:梁朝偉(トニー・レオン)/ 劉徳華(アンディ・ラウ)/ 黄秋生(アンソニー・ウォン)/ 曾志偉(エリック・ツァン)/ 鄭秀文(サミー・チェン)/ 陳慧琳 (ケリー・チャン)
アンディ vs トニー。ハリウッドでもリメイクされた香港映画の傑作
ハリウッドのリメイク版『ディパーテッド』も有名ですが、やはりオリジナルは最高!アンディ・ラウとトニー・レオン、香港二大スターの夢の共演。名優同志の熱いぶつかり合いと、あのスピード感がたまりません。音楽もオンとオフのバランスがよく、重要人物が次々と死んでいくときの悲しさ、残された者の心境が一層、見る側にも伝わってきます。原題の 『無間道(むげんどう)』 は、仏教用語で「無間地獄」を意味し、一度踏み入れたら、二度と抜け出せず苦しみを繰り返す地獄のこと。才能あるがゆえに、身分を偽り、組織のために犠牲となることを余儀なくされた主人公2人の悲劇が何とも切ない。香港映画に馴染みがない人にも、この映画は本当にオススメです。
さらば、わが愛 / 覇王別姫(はおうべっき)
中国・香港 / 1993年(日本公開1994年)/ 172分
監督:陳凱歌(チェン・カイコー)
脚本:李碧華(リリアン・リー)
出演:張國榮(レスリー・チャン)/ 張豊毅(チャン・フォンイー)/ 鞏俐(コン・リー)
時代に翻弄され、波乱に満ちた2人の京劇スターを中心に描く壮大な愛憎劇
京劇には正直興味がない私ですが、女形の京劇スターを演じるレスリー・チャンの妖艶さ、愛憎の三角関係、日本の侵略や文化大革命に翻弄される京劇の世界など見所が多く、最後まで引き込まれました。主人公の少年時代を演じた当時16歳の尹治(イン・チー)がまた素晴らしく、養成所を抜け出して見た京劇に涙するシーンは印象的でした。その後も時代に翻弄されながらも信念を貫く主人公レスリー・チャンの悲壮感と圧倒的な存在感。こういう中華圏でしか作れない作品は、見る価値ありです。
七小福
香港 / 1988年(日本公開1992年)/ 112分
監督:羅啓鋭(アレックス・ロー)
脚本:羅啓鋭(アレックス・ロー)
出演:洪金寶(サモ・ハン)/ 林正英(ラム・チェンイン)/ 鄭佩佩(チェン・ペイペイ)
京劇からカンフーの時代へ、香港映画のレジェンドたちの少年時代を描いた貴重な名作
1960年代に香港に実在した戯劇学院で学んでいた、サモ・ハン・キンポー、ジャッキー・チェン、ユン・ピョウら、後に香港映画界のスターとなる彼らの子ども時代を描いた、とても貴重な作品。親元を離れて厳しい京劇の訓練にはげむ子どもたち。しかし時代の流れで京劇の人気が衰退し、活躍の場が失われていくという皮肉。その後、映画界で成功した彼らにこんな下積み時代があったのかと、それだけでも興味深かったです。サモ・ハンとジャッキーの青年時代役の2人が本人たちに似ているのがまた面白い。厳しい寮生活の中でも無邪気さやいたずら心を忘れない子どもたちの姿、厳しい中にも優しさがにじみ出ているユウ先生の言葉もこの作品の魅力。そして京劇を愛するあまりに最後は気がふれてしまうラム・チェンイン演じるアロンの最後の演技には、思わず見入ってしまいました。
恋する惑星
香港 / 1994年(日本公開1995年)/ 100分
監督:王家衛(ウォン・カーウァイ)
脚本:王家衛(ウォン・カーウァイ)
出演:梁朝偉(トニー・レオン)/ 王菲(フェイ・ウォン)/ 金城武 / 林青霞(ブリジット・リン)/ 周嘉玲(バレリー・チャウ)
平行線をたどる2組の男女の関係を描く、香港のオシャレ恋愛映画
ウォン・カーウァイ監督のセンスが伝わってくる作品。私はあの独特な「お洒落さ」は特別好みではないのですが、この作品は、フェイ・ウォンの曲と彼女の魅力が強烈に印象的に残りました。フェイ・ウォン演じる女の子の行動は、普通に考えたら変態なのに、それを可愛く演じてしまうところがすごい。感情移入はできなかったけれど、1年越しの両想いには思わず顔が緩みました。前半の金城武と金髪女性のエピソードは、いまいちよく分からず、好き嫌いの分かれる作品だと思いますが、当時大ヒットした香港の名作なので観る価値はあります。
天使の涙
香港 / 1995年(日本公開1996年)/ 96分
監督:王家衛(ウォン・カーウァイ)
脚本:王家衛(ウォン・カーウァイ)
出演:黎明(レオン・ライ)/ 李嘉欣(ミシェル・リー)/ 金城武 / 楊采妮(チャーリー・ヤン)/ 莫文蔚(カレン・モク)
香港を舞台に、孤独を抱えた男女5人の物語が交錯する独特の恋愛ドラマ
これは何度か観る度に染み入ってくる作品かもしれません。ネオンと雑踏の中で不器用にしか生きられない5人の男女の物語。ストーリーよりも、ウォン・カーウァイ監督の独特の映像美が印象的でした。ナルシストっぽい殺し屋やヒステリックな女性たちにはあまり感情移入できませんでしたが、金城武演じる口がきけない青年と父親のエピソードはちょっとジーンとしました。殺し屋が、バーのジュークボックスの曲でエージェントに気持ちを伝えるところもなかなか乙。全体的に暗く、切ない雰囲気だったので、バイクで疾走するエンディングの音楽Only Youがとても心地良かったです。
頭文字D THE MOVIE
香港 / 2005年(日本公開2005年)/ 109分
監督:劉偉強(アンドリュー・ラウ)/ 麥兆輝(アラン・マック)
脚本:莊文強(フェリックス・チョン)/ 麥兆輝(アラン・マック)
出演:周杰倫(ジェイ・チョウ)/ 鈴木杏/ 陳冠希(エディソン・チャン)/ 余文楽(ショーン・ユー) / 黄秋生(アンソニー・ウォン)/ 杜汶澤(チャップマン・トー)
日本の人気レーシングコミックを、台湾・香港の若手スターを集結し実写化
原作は未読ですが、よくこの漫画を実写化できたなと思うほど、圧巻のレースシーンの連続でした。サーキットではなく「公道」というのが、さらにスリル満点で良いです(実際にあんな危険な走りをされたらたまりませんが)。「インファナル・アフェア」シリーズでおなじみの俳優やジェイ・チョウが日本人役で出ていて、セリフは中国語という不思議な設定。でも映像がキレイだったので、日本を舞台に撮ってくれたのは嬉しいです。涼しい顔してバトルに勝っていくジェイ・チョウはかっこ良かったですが、鈴木杏ちゃんとの恋愛エピソードは、もうちょっと深く描いて欲しかったのが正直なところ。何だかあっさり関係が終わってしまった印象でした。運転が苦手は私としては、あんな危険な勝負をする走り屋の気持ちは全く理解できませんが、「観る分」には楽しめる作品でした。
ミラクル7号
中国・香港 / 2008年(日本公開2008年)/ 88分
監督:周星馳(チャウ・シンチー)
脚本:周星馳(チャウ・シンチー)
出演:周星馳(チャウ・シンチー)/ 徐嬌(シュー・チャオ)/ 張雨綺(キティ・チャン)
超貧乏親子と、謎の生物の心温まる出会いを痛快に描くSFファンタジー
チャウ・シンチーの作品は、観ていて「ありえない~」の連続なのですが、この作品、ありえないながらも意外と泣かせてくれました。「嘘はつくな、ケンカはするな、人の物を盗むな。一生懸命勉強して、世の中の役に立つ人になれ」といった当たり前のような道徳観が、なぜか心に響く。途中までは、子供向けだなーっという感じだったのですが、観終わった後は「ぜひ大人も観て欲しい」と思いました。頭の凝り固まった自分にはピッタリだったかも。笑いあり、親子愛あり。尺も短いので、疲れたときの1本としてオススメです。主人公の子供が本当に愛らしくて、演技も天才的。男の子の役なのに、実は女の子というから驚きです。
桃さんのしあわせ
中国・香港 / 2011年(日本公開2012年)/ 119分
監督:許鞍華(アン・ホイ)
脚本:陳淑賢(スーザン・チャン)
出演:劉德華(アンディ・ラウ)/ 葉德嫻(ディニー・イップ)/ 秦海璐(チン・ハイルー)
「老い」をテーマに、肉親以上の強い絆で結ばれていく家政婦と雇い主の触れ合いを描く
トレーラーを観て、すごく観たいと思った作品。予想に反し、決してお涙頂戴的な演出はなく、淡々と進んでいくものでしたが、家政婦と雇い主という2人の人物を通して「老い」「家族」を描いた良作。生まれた時からいつも空気のようにそばにいた家政婦が脳卒中で倒れたことから、ストーリーは始まります。身寄りもなく、60年も自分の家族と自分に仕えてきた桃さんに、本当の息子のように寄り添っていくロジャー。悲惨とも言える老人ホームでの生活の中、ロジャーがいることによって桃さんが時折見せる笑顔に、観ていてホッとさせられ、2人が手をつないで歩くシーンは本当に心温まるものでした。香港の老人ホームの実態がかなりリアルに描かれていますが、「感動作」であると同時に、社会問題もきちんと提起されていて、「老い」「老人介護」について考えさせてくれる作品です。
コールド・ウォー 香港警察 二つの正義
香港 / 2012年(日本公開2013年)/ 102分
監督:梁樂民(リョン・ロクマン)/ 陸劍青(サニー・ルク)
脚本:梁樂民(リョン・ロクマン)/ 陸劍青(サニー・ルク)
出演:梁家輝(レオン・カーフェイ)/ 郭富城(アーロン・クォック)/ 李治廷(アーリフ・リー)/ 林家棟(ラム・カートン)/ 錢嘉樂(チン・ガーロウ)/ 劉徳華(アンディ・ラウ)
香港警察内部の争い・汚職の実態を描くサスペンスアクション
『インファナル・アフェア』が大好きなので、香港警察モノということで期待して観ました。冒頭の爆破事件から始まり、展開と人間関係を理解するのに頭フル回転でしたが、警察内の派閥争いや汚職問題など、多面的な要素をスピーディーに展開していく作りは見事。特に身代金の受け渡しやカーアクションの緊迫感には引き込まれ、後半から汚職捜査機関の廉政公署(ICAC)が絡んでくる点もとても新鮮でした。それにしても、インファナル・アフェアといい、香港警察って本当にこんな危険な感じなのでしょうか。最後は続編を匂わせるような終わり方でしたが、期待どおり2016年に続編が製作されました。
まとめ
いかがでしたか?余談ですが、以前TSUTAYAの映画コーナーで、近くにいた他のお客さんが店員さんにオススメの映画(香港映画だったかは忘れましたが)を尋ねていて、店員さんが「インファナル・アフェア」を熱心に勧めていたことを思い出しました。その時は心の中で「さすが店員さん!」と思ったものです。
かつてのような勢いがなくなってきたとも言われている香港映画ですが、まだまだ魅力的な作品を発掘して、お伝えしていきたいと思います。