おうち英語、おうち中国語、映像翻訳の情報サイト

日本の絵本を中国語で読もう!五味太郎さんの絵本35選

語学

 

こんにちは。7歳、5歳、3歳の娘たちに、日中英トライリンガル子育てを実践中のelly (@ellyeblog) です。

大学で言語学を専攻し、英日・中日翻訳の仕事をしています。自分が語学で苦労した分、「子どもの言語習得」にとても興味があります。

 

以前仕事で、日本の絵本の英語版・中国語版をたくさん扱う機会があり、その時に「こんなに中国語の翻訳版が出てるの?!」と驚いたのが、五味太郎さんの絵本でした。

五味太郎さんと言えば、有名な作品がたくさんありますよね。私も娘たちに(日本語で)たくさん読み聞かせてきましたが、比較的やさしく、子どもたちを惹きつける五味太郎さんの絵本は中国語の読み聞かせにもピッタリ!

ということで、「おうち中国語」に取り入れやすいようタイトルの対訳付きで、中国語訳のある五味太郎さんの絵本おすすめ35冊を紹介します。

  • これから子どもに中国語の絵本を読み聞かせたい!
  • 日本人の親にもなじみのある、やさしめの絵本がいい!

そんな方にオススメです。

この記事では簡体字のタイトルで紹介しています。繁体字のタイトルは最後に一覧にしました

 

▼中国語で読める日本の名作絵本(初級レベル)▼

▼中国語で読めるノンタンシリーズ(初級レベル)▼

 

 

五味太郎さんの絵本の魅力

五味太郎さんは1945年、東京生まれ。デザイナーを経て、1973年、28歳のときに『みち』で絵本作家としてデビューします。

これまでに450冊以上の作品を生み出し、120作以上が世界各国で翻訳・出版されているという、日本を代表する絵本作家です。

▼五味太郎さんの出版リスト▼
http://www.gomitaro.com/

そんな五味太郎さんの絵本の魅力は、子どもを惹きつける仕掛けやユーモアにあふれたところ。それが世界各国で愛されている理由の一つだと思います。

 

0~2才向けの10冊:まずは言葉の少ない絵本から

五味さんの絵本は比較的文字数が少なくやさしいものが多いですが、中でも特にやさしい、赤ちゃんから2才くらいの子どものにおすすめの絵本10冊をご紹介します(年齢はあくまでも目安です)。

※(2022年6月時点で)中国語版がネット購入可能なものはリンクを貼っています。購入できないものは、表紙イメージの参考として日本語版のリンクを貼っています。

 

『きんぎょがにげた』/ 小金鱼逃走了

Where’s the Fish? / The Goldfish Got Away
福音館書店(1982年)24ページ

超有名な五味さんの絵本。1匹の金魚が金魚鉢から逃げ出して、ページをめくるたびにどこかに隠れている。小さな子どもでも指をさしながら楽しめます。

▶中国語の読み聞かせ参考動画はこちら

 

『かくしたのだあれ』/ 袜子藏哪儿了

Hide and Seek / Who Hid It?
文化出版局(1977年)23ページ

こちらもあてっこが楽しい、どうぶつあれあれえほんシリーズの1つ。『きんぎょがにげた』よりは少し見つけるのが難しい(?)かもしれませんが、言葉はくりかえしが多くてシンプル。中国語のタイトルは「靴下をどこに隠した?」という意味になっています。

 

『たべたのだあれ』/ 冰激凌是谁吃的

Who Ate It?
文化出版局(1977年)23ページ

同じくどうぶつあれあれえほんシリーズの1つ。中国語のタイトルは「アイスクリームを食べたのは誰?」という意味になっています。『かくしたのだあれ』と同様、英語も中国語も、目的語にあたるものが必要なのですね。

 

『いったでしょ』/ 我说了吧

偕成社(2004年)24ページ

お散歩をする馬のお母さんと子馬。前を歩くお母さんが、危険なものを見つけるたびに後ろの子馬に声を掛けるのですが、子馬は失敗してばかり。親子の掛け合いが面白い絵本です。

▶中国語の読み聞かせ参考動画はこちら

 

『どいてよへびくん』/ 走开啊, 小蛇!

偕成社(2003年)24ページ

ネコの女の子が何かで遊ぼうとするたびに、へびくんが邪魔をするので女の子は「どいてよ」と怒ってばかり。そんな二人の結末がおもしろいです。

 

きをつけてシリーズ3冊

トラック、飛行機、船。3つの小さな乗り物が主人公のシリーズ3作。それぞれが出掛けた先には、いろいろな「きをつけて」があふれていて、まるで親が子どもを見守っているような気持ちになる絵本です。1作目、2作目と読んでいって、3作目では目線が変わっているところも面白く、子どもの成長を見ているようです。

『きをつけて 1』/ 小卡车, 小心

Little Truck
童心社(2015年)24ページ

『きをつけて 2』/ 小飞机, 小心

Little Plane
童心社(2015年)24ページ

『きをつけて 3』/ 小心小轮船

Little Boat
童心社(2015年)24ページ

▼お得な3冊セット

 

ペープサート付き、おさんぽえほん2冊

男の子と女の子のペープサート(人形)が付いている、おさんぽえほんシリーズ。表紙にはめ込まれた人形を取り外して動かすことで、オリジナルの物語が作れちゃいます。人形が動くことで、子どもが喜ぶこと間違いなし。プレゼントにもピッタリの絵本です。

『あるいてゆこう』/ 大家一起走一走

ポプラ社(2006年)25ページ

『あそんでゆこう』/ 大家一起玩一玩

ポプラ社(2007年)25ページ

 

2~4才向けの15冊:少しずつ言葉を増やしてみよう

言葉が分かるようになったら、少しずつ言葉の多い絵本へ。まずは繰り返し表現の多いものや、身近なものが出てくるものなど、おすすめの15冊です。

 

『かくれんぼ かくれんぼ』/ 藏猫猫 藏猫猫

Hide and Seek
偕成社(1978年)32ページ

ねずみくんが干し草だと思って隠れたのはキツネさんの体。キツネさんが木だと思って隠れたのはカバさんの体。というように、いろんな動物のかくれんぼが続き、見つかってしまうとどうなる?というユーモアのある絵本。

 

『かげのひこうき』/ 影子飞机

偕成社(2014年)32ページ

男の子が飛行機の影の上を歩いたら、なんと影の飛行機に乗せられてしまい…、という、大人の頭では思いつかない発想の絵本。いろんな人や動物を乗せて旅をし、最後に着陸すると…。これまた不思議なラストシーンが待っています。

 

『きいろいのは ちょうちょ』/ 黄色的……是蝴蝶!

Hi, Butterfly!
偕成社(1983年)36ページ

男の子が黄色いちょうちょを捕まえようと追いかけていくのですが、ちょうちょだと思ったものは黄色い別のもの。それがあまりにも続くので、とうとう男の子は「黄色いのはもう絶対にちょうちょじゃない」とあきらめるのですが…。一緒にちょうちょ探しをしながら楽しめる絵本です。

 

『ぐうぐうぐう』/ 爱睡觉的鲸鱼

文化出版局(1982年)32ページ

広い海の中、ぐうぐうと寝ている一頭のクジラくん。周りでいろんなことが起きるのに、ずっーと寝ています。最後は島に頭をぶつけて起きるのですが…。ゆったりと生きるクジラくんと、ぐうぐうぐうという音の響きが心地よい絵本です。

▶中国語の読み聞かせ参考動画はこちら

 

『仔牛の春』/ 小牛的春天

Spring is Here
リブロポート(1980年)/ 偕成社(1999年)32ページ

生まれたばかりの白い仔牛が、春から冬を経てまた春を迎える、その一年の成長と周りの自然の移り変わりを、短い言葉と色鮮やかな背景で描いています。

▶中国語の読み聞かせ参考動画はこちら

 

『グレート・ワンダーシップへようこそ!』/ 欢迎来到神奇船

偕成社(2007年)32ページ

巨大な船に乗り込むと、そこには1つの街があって…、というワクワクするようなお話。細かく描かれた船の中で、いろいろなものを子どもと一緒に探すのも楽しいです。そして最後にはオチもあります。

 

『だいじょうぶかしらねずみくん』/ 没事吧, 小老鼠?

偕成社(2002年)24ページ

ぼんやり歩いているねずみくんが、いろんな動物に次々にぶつかったり踏まれたり、というシンプルなお話ですが、絵をよく見ると、ぶつかるたびにねずみくんの目やしぐさが相手の動物と同じになっていくという遊び心が隠れています。

 

『まどから・おくりもの』/ 从窗外送来的礼物

Santa Through the Window / Presents Through the Window
偕成社(1983年)36ページ

サンタさんが動物たちの家を回ってプレゼントを配るのですが、窓から部屋をのぞいては、勘違いしてどんどんプレゼントを置いていきます。みんなの家の窓の部分が穴あきになっていて、ページをめくるとサンタさんの間違いに気づく仕かけになっているのがとても楽しい。動物たちはプレゼントを喜んでくれたでしょうか。

 

『みんなうんち』/ 大家来大便

Everyone Poops
福音館書店(1981年)28ページ

いろんな生き物のうんちや、うんちの仕方をユーモアたっぷりに描いた絵本。「生き物は食べるから、みんなうんちをするんだよ」という学びにもつながります。

 

『わにさんどきっ はいしゃさんどきっ』/ 鳄鱼怕怕 牙医怕怕

The Crocodile and the Dentist
偕成社(1984年)32ページ

created by Rinker
Ming Tian Chu Ban She/Tsai Fong Books

歯が痛くてイヤイヤ歯医者にやって来たワニさんと、ワニの虫歯の治療を恐るおそる行う歯医者さん。二人が同じ場面で同じことを思っている、その心理描写がユニークで笑えます。歯医者さんに行き始めた子どもに読んであげるのにもピッタリです。

▶中国語の読み聞かせ参考動画はこちら

 

『ゲーム・ブック』(全5冊)/ 思维游戏书

偕成社(1998年)24ページ

絵のあてっこや、迷路、数の問題など、いろいろな知恵あそびが楽しめる本。だいたい2~3歳からちょうどいいレベルかなという印象(中には数字など難しいものもあります)。日本語版(と繁体字版)ではシリーズ全6冊ですが、なぜか簡体字では全5冊セットで売られています。

 

きせつのえほん(全4冊)

四季の魅力を、リズミカルな言葉で伝えてくれるシリーズ4作。中国語版は4冊セットか、現在は「秋」のみネットで販売されています。

『はるはゆらゆら』/ 春天

小学館(2005年)24ページ

ねこの女の子といぬの男の子が、ゆらゆらとした楽しい気持ちで町へおでかけ。春になったときの気持ちや春の魅力を、「ゆらゆら」という言葉を使って詩的に、とても色鮮やかな絵とともに伝えてくれる絵本。

『なつはぐんぐん』/ 夏天

小学館(2005年)24ページ

ねこちゃんといぬくんに、今度はぐんぐん夏がやってきて、海へ冒険に出かけます。夏の元気な気持ちと、青々とした自然の魅力が満載の絵本。

『あきはいろいろ』/ 秋天

小学館(2005年)24ページ

赤や黄色、オレンジ色に黄緑色と、葉っぱや木の実のカラフルな色で秋の魅力を描いた絵本。ねこちゃんといぬくんたちが秋の色で遊ぶと同時に、「秋も色や形で遊んでいる」という発想が素敵です。

『ふゆはふわふわ』/ 冬天

小学館(2005年)24ページ

寒い冬がやってきたけど、ねこちゃんといぬくんはふわふわのセーターを着て、ふわふわの雪の中、元気いっぱいに遊びます。実は冬にはいろんな「ふわふわ」があって、心と体を包み込んでくれるような気持ちにさせてくれます。

 

4才以上向けの10冊:言葉を増やし、ストーリーも味わおう

ユーモアもありつつ、ほのぼのしたり、学びがあったり。子どもと一緒に内容を味わえるおすすめの10冊です。

 

『うたってくださいことりさん』/ 歌唱吧,小鸟!

偕成社(2002年)24ページ

1羽の小鳥がいろんなところに飛んでいって、その小鳥の歌を聴いた人たちが元気になったり、穏やかな気持ちになったり。そして最後はあなたのところにやってくるというお話。小鳥の歌を聴くとどんな気持ちになるか、子どもと一緒にお話ししたくなります。

 

『がいこつさん』/ 白骨小哥

文化出版局(1982年)32ページ

主人公のがいこつさんは、何かを忘れているような気がして気になって仕方がない。思い出そうと街中を歩き回って、最後にデパートのトイレで思い出したことは…。ユーモアもありつつ、「生きている人」とは違うがいこつさんに、少し切なさも感じてしまう一冊。

 

『からだのみなさん』/ 嗨,身体的各位!

福音館書店(2005年)28ページ

身体のあちこちがそれぞれにおしゃべりを始めるというお話。考えるのは「頭」だけじゃなく、それぞれに感覚や思いがあるという発想が面白く、どれも納得してしまいます。

 

『クリスマスにはおくりもの』/ 圣诞节的礼物

絵本館(1980年)32ページ

クリスマスにサンタさんからプレゼントをもらうのを楽しみにしている女の子。実は女の子もサンタさんにプレゼントを用意していたので、サンタさんは大喜び。二人に直接交流はないけれど、お互いを思い合っている姿にほのぼのします。

 

『とうさんまいご』/ 爸爸去哪儿了?

I Lost My Dad
偕成社(1983年)32ページ

お父さんとデパートにやって来た男の子が、まいごになったお父さんを探し回るという話。ページごとに仕かけがあって、お父さんらしき姿がチラっと見えているのですが、めくってみると実は違った~の連続。最後には違う仕かけも待っています。

 

『バスがきた』/ 巴士到站了

But Stops
偕成社(1985年)32ページ

1台の白いバスが止まるたびに、いろんな人が降りてきて、ページごとにバス停のまわりの風景や人々の人生が描かれています。言葉は少なく繰り返しが多いのですが、じっくり絵を見ながら子どもと一緒に味わいたくなる絵本です。

 

『はやくあいたいな』/ 好想马上见到你

I Really Want to See You, Grandma
絵本館(1979年)32ページ

離れて暮らすおばあちゃんと孫の女の子。二人は同時にお互いに会いたくなって家を出ますが、すれ違ってしまい、急いで帰るもまたすれ違い。愛とユーモアにあふれた作品です。

 

『ひみつのがっき』/ 我的嘴巴是一支口琴 / 乐器的秘密

偕成社(1975年)36ページ

古い作品で、絵のタッチも最近の五味さんの絵とは少し違います。次々とやってくる人たちには秘密があって、みんな身体の一部が楽器になっているという斬新な発想。そして最後には大音楽会が始まります。

 

『みんながおしえてくれました』/ 我的朋友

My Friends
絵本館(1983年)32ページ

いろんな動物から、いろんなことのやり方を教えてもらったと語る女の子。とても素敵な考え方であり、学ぶこと、考えることの大切さ、周りの人に支えられているという感謝の気持ちを改めて教えてくれます。

 

『もりにいちばができる』/ 小狐狸卖葡萄

玉川大学出版部(2008年)32ページ

きつねがたぬきにぶどうをあげたら、たぬきはお礼にりんごをくれて…と、森の中で動物たちが「とりかえっこ」をしていったらお店ができて市場ができた、というお話ですが、実は社会や経済の基本が学べる絵本。小学校低学年まで長く読める作品です。

 

その他のタイトル一覧

今回おすすめ作品としては詳しく紹介していませんが、簡体字タイトルのあるその他の五味さんの作品を以下にまとめました。

(五十音順)

『あそぼうよ』/ 一起玩儿吧(偕成社、2001年、22ページ)

『くじらだ!』/ 鲸鱼(岩崎書店、1978年、32ページ)

『言葉図鑑』(全10巻)/ 语言表达(偕成社、1985年~)

『ぞうはどこへいった?』/ 大象去哪儿了?(偕成社、2012年、32ページ)

『ぞうはどこへもいかない』/ 大象哪儿也不去(偕成社、2013年、32ページ)

『ちいさなきしゃ』/ 小火车开动了(岩崎書店、1982年、24ページ)

『ヘリコプターたち』/ 两架小飞机(偕成社、1997年、32ページ)

 

繁体字のタイトル一覧

今回は簡体字で出版されている絵本を紹介しましたが、台湾の出版社から繁体字で出版されている五味さんの絵本のタイトルを以下にまとめました。

台湾中国語の学習に役立ててみてください。

(五十音順)

『あそぼうよ』/ 一起來玩吧

『あそんでゆこう』/ 一起去玩耍!

『あるいてゆこう』/  一起去散步!

『いちばんはじめに』/ 我是第一個

『いったでしょ』/ 我說過了啊

『うたってくださいことりさん』/ 小鳥請唱歌

『おじさんのつえ』/ 爺爺的拐杖

『かくしたのだあれ』/ 藏在誰那兒呢?

『かげのひこうき』/ 影子飛機

『からだのみなさん』/ 身體的各位

『きんぎょがにげた』/ 小金魚逃走了

『ゲーム・ブック』(全6巻)/ 創意的遊戲書

『仔牛の春』/  春天來了

『だいじょうぶかしらねずみくん』/ 我沒事, 我沒事!

『たべたのだあれ』/ 誰吃掉了?

『だれかがいます』/ 是誰在那裡呢?

『どいてよへびくん』/ 蛇弟弟, 走開啦!

『とうさんまいご』/ 爸爸走丟了

『なんでもできる!?』/ 什麼都做得到!?

『にているね!?』/ 長得很像吧!?

『はやくあいたいな』/ 好想見到妳

『まどから・おくりもの』/ 窗外送來的禮物

『みんなうんち』/ 大家來大便

『わにさんどきっはいしゃさんどきっ』/ 鱷魚怕怕牙醫怕怕

 

まとめ

いかがでしたか。中国語の絵本を置いている書店は少ないと思いますが、これらの中国語タイトルを参考に、ネットショップや図書館などでぜひ検索してみて下さい。

また日本語のみですが、以下のサイトでは五味さんの作品がアニメーションで見られます。

五味太郎 ANIMATION WORLD(公式)

U-NEXT

 

母語でも外国語でも、子どもの言葉の発達に、絵本の読み聞かせはとても手軽で効果的ですし、貴重な親子の触れ合いタイムにもなります。

皆さんの語学・子育ての参考になれば幸いです。

タイトルとURLをコピーしました